PASMO


 今年3月、首都圏の電車・バスでPasmoが使えるようになった。出だしは好調で、4月11日にはPASMO協議会が発行制限を打ち出すなどPasmoの在庫不足が深刻であるほどである(9日までに300万枚を突破)。
 このPasmoは01年11月にスタートしたSuicaICOCAPiTaPaTOICAに続く大手では第5番目のICカード乗車券である(ほかにも中小私鉄等での導入は盛んである)。結果的に出遅れと思われたが、首都圏の私鉄で使える利便性は利用者に的中した。ただ、まだまだ不便なところはたくさんある。相互乗り入れによって運賃が割高になる場合があったり、4計算社以上では使えなかったり、バスの利用はまだまだであったり。バス共通カードのおまけはないといっても過言ではない。駅ナカも私鉄ではまだまだ。街ナカでは、コンビニではファミマは使えるが、ローソンなどでは使えない。電鉄系のスーパーでもまだまだ。交通機関利用者からすれば便利になっても、たとえば主婦などはスーパーでは現金のままである、といった事情もある。また上限金額の問題もあり、BicCameraなどでSuicaで高額品を買うことはできない(クレカを除く)。また、SuicaICOCA相互の電子マネー利用もできない。
 そもそも、これほど爆発的に当たった理由のひとつは定期券からの切り替えであろう。例えば東京メトロはJRの他、西武・東武小田急・東急・東葉高速と相互直通をしている。今まで私鉄ではSuicaが利用できなかったためにSuicaは、イオカードタイプしか持っていなかったという人が多いのであろう。各社とも沿線に住宅地を多く抱えており、通勤・通学定期などで購入・切り替えをした人が相当いたのではないかと思う。それが結果的に在庫不足に陥った原因のひとつであるのではないかと思う。一部報道ではこれで一番うれしかったのはフェリカ製造メーカのSONYでは、とか。
 一方、地方交通機関では乗る回数によって割引や無料乗車の特典もついている。また一部では商店街での提携によって割引やおまけがある。特に商店街も生き残りをかけている地域密着型ICカード、とりわけ何かプラスαの特典をつければいいのではと思うが(せた丸は生き残れるのか?)。
 今後、電子マネーの顧客獲得争いが活発になる中で、鉄道会社の壁をどう超えるかが、また、エリア拡大も課題になりそうである。なお、Toicaを運営しているJR東海にはさらなる利便性の向上に努めてほしい。
 来月は、鉄道のダイヤ整理について話したい。