デジタル列車無線から見る相鉄・東急相互直通運転

(2021年8月13日修正(赤字部分が加筆・訂正))
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 2019年11月30日より相鉄とJRが相互直通運転を開始し、順調にいけば2022年度下期に東急と相鉄が直通運転を始まります。
 乗り入れに伴い、関係各社が直通運転のための設備を導入することになるが、デジタル無線の採用状況から乗り入れについて推測しました。
 結論から言えば、今回の相互直通運転相鉄=東急間の直通が中心となり、東急を除いた他社は相鉄の乗り入れできない。これはデジタル列車無線にJR型三菱製が採用されていないことが理由である。
 相鉄ではJR形三菱製デジタル列車無線を採用しており、これがデジタル列車無線システム共通仕様書に準拠していないことについては既に「かまてつ」のデジタル列車無線特集で散々言ってきたことである。逆に、三菱製デジタル列車無線を採用しなければ直通はあり得ないと言うことである。東急3020系が三菱製デジタル列車無線をわざわざ採用したところはここにある。さらに、相鉄では、二俣川大和駅でのチャンネル変更もあるので完全なJR形デジタル列車無線でないと乗り入れができない。
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南北線9000系に取り付けられたデジタル列車無線は日立国際製で、これでは相鉄には乗り入れができない。
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副都心線10000系や8両編成の東急5050系に取り付けられたのは三菱製であるが、相鉄線内でのチャンネル切換には対応していない。受話器をJR形に変えれば残りはSDRで対応できてしまうのだろうが。

一方で、10両編成の5050系4000番台が2021年8月にATS-P取り付けやJR型デジタル無線の搭載など相鉄直通対応改造が行われた。このことから、東横線系統では現状10両編成(優等)のみ直通する計画であると思慮される。

 現在各社で更新作業が行われているデジタル列車無線はいかの通りとなる。

相模鉄道:JR形三菱(共通規格非準拠)
東京メトロ副都心線 :三菱(非JR形)
・東急:三菱・NEC(但し、目黒線各形式と東横線10両は相鉄直通対応のJR形三菱)
・西武:NEC
東武NEC
・都営:日立
東京メトロ南北線:日立
埼玉高速鉄道:日立

 以上から、相鉄へ乗り入れができる鉄道会社はメトロ副都心系統と東急のみとなる。その東急も、目黒線系統は三菱製デジタル列車無線を採用するが、また、都交6500形のアンテナ準備工事も気になるところである。
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 ということで、上記の乗り入れ予想図(8月13日訂正)を作成してみました。
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※前回2020年1月版と比較し、相鉄車のメトロ各線への直通を削除しました。

ドアコック封印について

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 昨今、運転席側窓下付近にドアコックを取り付ける会社が増えているが、昨年2019/11/29、東急宮崎台駅で通過中の電車のドアコック蓋が開いていたことによりホームドアと衝突する事故が発生した。以降、田園都市線の電車でドアコック蓋がテープで封印されている。
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一方で、西武車でもドアコック蓋の封印が始まった。
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 西武車の件についてはプレスリリースや目撃情報等が出ていないため、何処で発生したかは不明だが、ガムテープ処置がされていたため同様の事故が発生したようである。
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応急処置として蓋全体に銀のテープで封印したほか、
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ドアコック蓋の爪を取り除く処置がされています。
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(本来の姿。参考:東武車)
 この位置にドアコックを設置したのは東武鉄道50000系が初めと思われるが、デビューして約15年経つが事故等が発生しておらず、ここ最近になって急に事故が連続したのかは謎である。もちろん、蓋は開いたが事故にならなかったケースや、そもそもホームドアがここ数年まで設置されていなかったなどの要因はあるが。
 今後、事故原因と、この位置のドアコック設置が無くなるのか、一方でドアコック蓋をより安全で振動等では開かないようにするのか、気になるところです。